13.11.2020 | 会社のニュース

総体的なアプローチで製造工程を最適化

スイスの工具・器具製造会社、PBスイスツールズ(PB Swiss Tools)とブラザー・スイスルーブ(Blaser Swisslube)は2019年初頭、野心的な目標を据えた業務提携を開始しました。「リキッドツール」をキーワードとする総体的なアプローチと新しい切削油の使用を通じて、製造工程の最適化や工具寿命の改善、製造コストの低減を目指したのです。試験期間には素晴らしい成果を収め、高く掲げた目標も達成されたことから、この業務提携は今後、他の製造工程にも拡大されることになりました。

エメンタール地方ヴァーゼン(Wasen)村で、雄牛をおとなしくさせるために使う鼻輪の製造から出発した鍛冶屋は、その後数十年を経て、世界を股にかける革新的な企業へと成長しました。現在は、比類なき精度と耐久性を誇る工具および医療器具を製作しています。PBスイスツールズこの工具製造会社の始まりは1878年まで遡ります。1940年に工具の製造を始め、2013年には医療用製品の製造にも着手します。今日では、80カ国以上の国で、それぞれの仕事に最高品質を求める専門家達がPBスイスツールズを選択しています。 ヴァーゼン(Wasen)とズミスヴァルト(Sumiswald)に勤務する180名の従業員は、年間1200万点の工具や器具を製造しており、その3分の2は世界市場に輸出されています。

 

ヴァーゼン本社とズミスヴァルトでは、最高級の精度と耐久性を誇る工具や医療器具が製造されています

2019年にバーゼルで開催された専門見本市「プロデックス(Prodex)」で、ブラザー・スイスルーブのブランドアンバサダー、タイタン・ギルロイ(Titan Gilroy)と切削油シナジー735がPBスイスツールズの社員の目に留まりました。PBスイスツールズのパトリック・ゲーリック(Patrick Gehrig)製造部長は、殊にブラザー・スイスルーブの総体的なアプローチに関心を持ちました。リキッドツールを使用すると生産性が向上し、コストが最適化されることに注目したのです。「PBスイスツールズの製造工場を視察し、協力体制の可能性について話し合うということで意見がまとまりました」と語るのは、ブラザー・スイスルーブの応用技術者、ハンス=ペーター・ドゥバッハ氏(Hans-Peter Dubach)です。

ブラザー・スイスルーブの包括的なアプローチは、このときの訪問でも活かされていました。ディスカッションや話し合いだけでなく、製造の詳細に至るまで、すべてが取り上げられたのです。ハンス=ペーター・ドゥバッハ氏は次のように説明します。「水質、使用されている工具や機械、加工素材を分析しました。上流・下流工程の両方を視察した結果、最適化の可能性が十分にあることがわかりました。旋盤は油で汚れてベタついており、機械の清浄度に改善の余地が認められました。また、工具寿命も改善できると思われました」

 

PBスイスツールズのパトリック・ゲーリック(Patrick Gehrig)製造部長とハンス=ルドルフ・マティス(Hans Rudolf Mathys)切削チーム主任

PBスイスツールズのエキスパート達はブラザー・スイスルーブとの業務提携の中で、工程の最適化、工具寿命の延伸、総コストの低減を目標に掲げました。

このような詳細な分析を行った後、ハンス=ペーター・ドゥバッハ氏は透明の切削油、シナジー735の使用を勧めます。「オイルフリーのこの水溶性切削油は添加剤の最適化を図り、非の打ちどころのない表面品質を実現します。また、流動挙動も優れており、機械やワークピース表面を簡単に洗浄することができます」とドゥバッハ氏は説明します。シナジー735はさらに加工工程を可視化するほか、無臭で肌荒れも起こしません。低発泡性のこの切削油は、高圧クーラントシステムにも理想的です。 

工具寿命を改善

2019年春、旋盤を使った新しい切削油の初試験が3ヶ月にわたって実施されました。その結果はすべて満足のいくものでした。安全管理の工程を変えることなく、工具の寿命が約10%向上しました。濃度調整がほぼ半分で済んだことから、総コストも減少します。つまり、工具と切削油の両方のコストを削減することができたのです。工程にかかった時間は通常どおりでした。PBスイスツールズの幹部が特に感心したのは、ワークピースと機械が清潔になったことです。PBスイスツールズのパトリック・ゲーリック製造部長は既に未来に目を向け、「当社は、切削油のパートナー、ブラザー・スイスルーブに全幅の信頼を置いています。他の分野でも継続的に改善を図りたい」と語ります。

 

切削油を替えてからは、機械が清潔に保たれています

このように大きな成果を収めた共同作業に続き、工程の最適化を目指して、新しい研削工程や研削油の利用、潤滑系統図の導入、潤滑剤の品揃えの絞り込みなど、別の工程にも着手することになりました。 PBスイスツールズとブラザー・スイスルーブは今後も業務提携を強化していく所存です。

 

 

ブラザー・スイスルーブ
スイスの同族企業、ブラザー・スイスルーブは1936年以来、計測可能な付加価値を持つ、人と環境に優しい潤滑剤ソリューションを提供し、各産業分野向けの多岐にわたる切削油を開発、製造、販売しています。応用を専門とするチーム、オーダーメイドサービス、そして卓越した製品を軸に、ブラザー・スイスルーブはお客様とその機械や工具の可能性を余す所無く発揮させ、成功のカギ「リキッドツール」へと切削油を変貌させるお手伝いをしています。
 

Blaser Swisslube AG
Winterseistrasse 22
3415 Hasle-Rüegsau

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PBスイスツールズ
同族企業のPBスイスツールズ株式会社は現在、4代目のマックス・バウマン(Max Baumann)(最高技術責任者/CTO)とエヴァ・ヤイスリ(Eva Jaisli)(最高経営責任者/CEO)が率いています。PBスイスツールズの歴史は1878年、ヴァーゼン村に開業した鍛冶屋まで遡ります。1940年に工具の製造、2013年には医療器具の製造にも着手し、現在はヴァーゼンとズミスヴァルトで180名の従業員が年間1200万本の工具や医療器具の製造に携わっています。その3分の2以上は世界80各国以上に輸出されており、品揃えは3000種以上におよびます。

 

PBスイスツールズ
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画像著作権 PBスイスツールズ
文章著作権 ブラザー・スイスルーブ
 

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